【心理学】才能に嫉妬してしまうのはなぜか、社会心理学『公正世界仮設』から説明

誰もが他人の才能に嫉妬してしまったこともあるでしょう。

 

「他人は他人、自分は自分」と頭の中で理解していたとしても、嫉妬の感情が浮かび上がってきてしまうわけです。

 

今回はなぜ他人の才能に嫉妬してしまうのか、社会心理学『公正世界仮設』から説明していきたいと思います。

『公正世界仮設』とは何か?

公正世界仮設について説明するのだ!!!

「善いことをことをすれば善いことが返ってくる(善因善果)」、「悪いことをすれば悪いことが返ってくる(悪因悪果)」というように考え、世界を公正であると思い込むバイアスを公正世界仮設(公正世界誤謬)という。

 

日本語だと

・身から出た錆

・人を呪わば穴二つ

・お天道様が見ている

などの言葉で表現されます。

 

この『公正世界仮設』は日本だけではなく世界でも見られます。

 

英語だと

・Self do self have.(自分の行為は自分に帰ってくる)

・An ill life an ill end.(悪い生き方をすれば悪い死に方をする)

Curses, like chickens, come home to roost.(呪いはひよこがねぐらに帰るように我が身に返る)

などの言葉で表現されますね。

ポイント!世界を公正であるとする思い込み = 公正世界仮設

公正世界仮設のメリット・デメリット

公正世界仮設のメリットとデメリットについて説明するのだ!!!

メリット

・積極的な未来への行動が可能となる

「努力をすれば報われる」という信念があれば理想の未来のために努力ができるよねということです。

・未来への勇気づけを行うことができる

「私は善いことをやったから大丈夫なんだ」というように思い込むことができます。未来に対する不安を減少させることができるというわけです。

・協調性を高めることができる

「みんなで頑張ればより良い未来を築けるから一緒に頑張ろう!」というように思い込むことで仲間意識が強くなり、協調性を高めることができます。

 

デメリット

・自己責任の助長

「努力しなかったお前が悪いんだ!」ということですね。努力でどうしようもできないことですら、努力不足で片付けられてしまいます。

・犠牲者への非難

「お前が過去に悪いことをしたから、巡り巡って裁きが与えられたんだ!」ということですね。無実だとしても叩かれてしまうというわけです。

 

狩りをして生活していた時代、もし仮に公正世界仮設があったとしたら「こんだけ移動して獲物を捕らえに頑張っているんだ。だからもう少ししたら獲物に出会えて、捕まえることができる!」と思い込めるよね。

 

努力の継続の結果、食料の確保ができるということもあったのかなって思うのだ

 

けど逆に「獲物を捕らえられなかったのはお前たちが頑張らなかったせいだ!」というようにもなっていたかもね。

 

一長一短ということだね。

才能に嫉妬してしまうのはなぜか?

いよいよ本題に入るのだ!!!

もう勘の良い方ならお気づきでしょう。

 

「なぜ他人の才能に嫉妬してしまうのか?」

 

それはこの世は公正であるという思い込みが不公平な現実とのギャップ(アンビバレント)を生むがゆえに、嫉妬の感情が芽生えてしまうということです。

 

頭の中では「この世は不平等で、それが当たり前だ」ということが分かっていても、無意識下に「この世は平等だ」という考えがあり、理想と現実の狭間で葛藤してしまうというわけです。

 

「他人の才能への嫉妬は自分が醜いから」なのではなく、ある種人間にとっては普通のことで、才能に対する嫉妬が強いという人はたまたま遺伝子に組み込まれた無意識の色が強かっただけとも解釈できます。

ポイント!公正世界(理想)と非公正世界(現実)の葛藤が嫉妬の感情を生む

才能に対する嫉妬への対処法(考察)

嫉妬の感情はどのように対処したら良いのか説明するのだ!!!

対処法1:昇華

昇華とは満たすことができない欲求を、より高度な活動に充てることを言います。

 

「彼女と別れて辛いから部活に専念する」だとか「骨折して運動ができなくなったから勉強頑張る」とかですね。

 

すなわち他人への才能に対する嫉妬(満たされない欲求)を自分のやるべき他の事に充てようということですね。

対処法2:対抗と諦め

他人の才能に嫉妬してしまうのは、前提として、自分より他人のほうが優れているからです。

 

なら、その他人の才能を凌駕するような結果を出してしまえば、嫉妬することはなくなります。

 

しかし、大抵の場合、他人の才能に嫉妬している状態で死に物狂いで努力をしたところで才能を凌駕することは難しいでしょう。

 

努力をしているうちに「あ、私はあの人には絶対勝てないんだ」という気付きを得ることができます。

 

この気づきが諦めにつながります。

 

嫉妬という感情に諦めがつけるよう、一度死にもの狂いで努力してみるというのも選択肢としてはあると思います。

対処法3:割り切り

「よそはよそ、うちはうち」ということで割り切るしかないということです。

 

この世界は公正ではありません。

 

公正であると思い込むのは公正世界仮設のせいだということをもうすでに学んだと思います。

 

「この世界は不平等なんだ」と割り切って生活しようということですね。

 

いづれにせよ嫉妬の感情と一度向き合う必要性があるのだ!!!

 

まとめ

他人の才能に嫉妬してしまうのはこの世界は公正であるという公正世界仮設の理想と、この世界は不平等である現実が葛藤を生んだ結果である。

 

才能に嫉妬してしまうのは公正世界仮設が機能しているのであれば仕方がないこととも考えられる。

 

いづれにせよ、他人の才能に嫉妬することで自分の損失を招いているのであれば、一度嫉妬の感情と向き合う必要がある。

 

なぜ嫉妬の感情が芽生えるのか考え受け止める必要があるのだ

 

〈お借りしたもの〉

立ち絵:坂本アヒル
https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im11148236
ツール:ゆっくりムービーメーカー4(https://manjubox.net/ymm4/)、VOICE BOX(https://voicevox.hiroshiba.jp/)

いらすとや 様
https://www.irasutoya.com/